The Introduction of NEUSTADTER BROS. CORPORATION

ブルドッグのマークのブランド、Boss of the road(ボスオブザロード)。

そのボスオブザロードブランドの製造を行っていたのがNEUSTADTER BROS. CORPORATION(以下ノイシュタッダー社と記載します)です。

リーバイスと同じサンフランシスコに本拠を置き、1940年代ごろ、Can't BustemブランドのElosser-Heynenmann社に買収?もしくは、何らかの形で営業が譲渡され、さらに、Elosser-Heynenmann Co社が、H.D.Lee社に吸収され、ボスオブザロードのブランドはリーの支配下に置かれたと言われています。

実際、1935年のコントラクト(契約)番号、Eloesser-Heynemann CoのラベルにBoss of the roadのボタンがついたミリタリーパンツを以前、オークションで見たことがあります。

また、リーがBoss of the roadネームで近年も製品を作っていたことからこれらの情報は、ほぼ確かです。

 

ただ、ノイシュタッダー社に関して、アド、特に雑誌広告などが見つけられず、創業年、創業者などに関しては全く分からずにいました。

ところが、今年、いつも私の作る製品を買ってくれているニューヨークのJimさんが「ノイシュタッダーの創業子孫と知り合いなので、ぜひ一緒に調べに行かないか?」と、驚きの情報を送ってくれました。

ということで、来月、その取材に行くのですが、今回はまず、その下調べで、商標・特許を調べた情報を元に、現段階でノイシュタッダー社に関してわかっていることをまとめようと思います。

 

BOSS OF THE ROAD・商標登録 1905年

まず最初に、Boss of the roadの商標登録情報です。

ボスオブザロードのブランド名は有名ですが、社名のノイシュタッダーは近年までそれほどメジャーではなかったのではないでしょうか。

まず、商標はBoss of the road。

コート、ブラウス、ジャンパー、ジャケット、エプロン、オーバーオール、トラウザーズ、シャツなどの商標で、1880年、初めて使った商標であるとあります。

出願はそれよりはだいぶ遅く、1905年7月13日。さらにRegistration Date、これを登録された日とすれば1917年11月13日。実に12年も登録までかかったのでしょうか?

商標の登録者には、NEUSTADTER BROS. CORPORATION CALIFORNIA CORNER OF FIRST AND MISSION STREETS SAN FRANCISCO CALIFORNIAとあり、社名とともに通りの名前まで記載されています。

今、このMISSION StとFIRST Stの交差点をGoogle Street Viewで見てみると・・・二つ、わずかに歴史がありそうな建物が見えます。

 
大きな地図で見る

最後のオーナーとしてH.D.Lee社が、そして1977年11月13日に行われた3回目の更新を最後に現在では商標登録自体は失効しているため、Deadと記載されています。

 

特許・Fastening for Pockets・1875年

次に、調べることができた中で一番古い日付の特許です。

1875年3月8日に提出され、4月20日、1か月少々の早さで特許登録がなされたと記載されています。

Inventor、発明者にはDavid Neustadterとあります。

内容はポケットの補強で、強度の高い生地、もしくは革などをポケット口より長めに切り、b・ポケット口部分に縫いつけ、さらに、c・ポケットの開口部で折り返してこれもたたきつけることにより補強とするというものです。

1873年にリーバイスがリベットによる開口部補強の特許を取得したため、他の方法を模索していたのでは・・・というのが一般的な推測です。

 

特許・Overalls・1877年

次に1877年に登録された特許で、のちに「Continuous Fly」としてアドにも登場している、ボタンを打つ「持ち出し」とボタンホールの開く「ヒヨク」を一続きの布で作る発明です。

なぜか、トップのボタンホールが下前に、ボタンが上前と逆についています。のちにアドでも同じように描かれているので、もしかすると、実際にこのような仕様の製品が存在したのかもしれません。

 

特許・Shirt・1881年

見つけた特許の中では、一番新しい、1881年5月24日付け、シャツの開口部の製法および、その製法が補強に有用である旨の特許です。

一見前開きのプルオーバーですが、特許の本文には図はシャツの後ろ側であるとあります。

そして、シャツの後ろ開き、袖口のスリットともに細い布Fでくるむように縫う、いわゆる「イッテコイ」と同じような縫製をした後に、角型の布Eで開き止まりを始末するという仕様を説明しているようです。

 

以上、年代は前後しましたが、ノイシュタッダー社が存在した痕跡が1875年から1917年ごろまであるのではないかということが特許・商標登録からわかってきました。

ベンデイビス社とのかかわり・1935年

Grand Royal Magazine Ben Davis Interview,1995

最後に、驚きの情報が同じく、西海岸のワークウェアメーカー、BEN DAVISのサイトに掲載されていました。

"B.D.: The shirts yes. As for the pants we acquired some patterns from an outfit called Neustadter Bros. which made the "Boss of The Road" which was the bulldog. They went out of business. We acquired their patterns which left a lot to be desired, so I modified and improved them."----上記リンクより転載

ベンデイビスはポケット開口部の発案者で有名なJacob Davis(ヤコブ・デイビスもしくはジェイコブ・デイビス)の孫にあたります。

ベンデイビス社はベンデイビスの父、Simon Davis(サイモン・デイビス)がJacob含め、親子二代にわたり務めたリーバイス社の工場長の職を辞して1935年に創業したメーカーです。

実際、このサイモンがリーバイス社を去るきっかけにもひと悶着あったようですが、それをリーバイス社の視点で描いた資料としては「リーバイス―ブルージーンズの伝説・エド・クレイ (著)」に詳しく掲載されています。

そのベンデイビス社が、1935年創業時にノイシュタッダー社がビジネスをやめたことをきっかけに同社のパンツの型紙を手に入れて改良を加えたとベンデイビスはインタビューに答えています。

 

 

ここまでのまとめ

ノイシュタッダー社の歩み・・・

1875-1917ごろまで存在

1935年 ベンデイビス社に型紙を売却?もしくは何かのかたちで奪取される

1935年7月10日付けのコントラクトナンバーで、Boss of the roadのボタンが付いたEloesser-Heynemann Coのラベルが付いたミリタリーパンツの存在

つまり、1935年近辺で廃業したのではないかというところまで、推測することができました。

はたして、この調査結果が正しいのか、否か。また、創業から廃業までの背景には、どのような事実があったのか。

来月の「実際に、行ってきました編」をお楽しみに。

 

 

Back to Column

 


Workers