C.C.Filson

フィルソンのマッキノークルーザー。マッキノーはどうもウールコートの総称で、クルーザー(Cruiser)はTimber Cruiserの事。森林伐採の事前調査をする人を指すようです。どちらにせよ、森で着る事を前提とした防寒ジャケット。

非常に厚いウール、前立てがあり、袖は2枚ものでカフスがある、完全なるシャツ作り。そこに特徴的なポケットが配置されています。

現代では、左右がほぼ対象のポケットですが、古いものほど左右のポケットの形が非対称であったりと特徴があります。

 

1914年登録、C.C.Filsonによる特許。今回のジャケットの元になったであろう特許です。

当初は、背中側、Fig1の3、背中側の二重に成る部分の生地がFig3、側面から見た図で24の肩を通り越し、18、Fig2のフラップの位置まで来るという物だったようです。ただ、特許の文章を読むと、二重になった生地だけでなく、ポケットフラップのステッチでの補強など、ある意味どうとでも取れるように複雑に記載されています。

そもそも、権利を守りたいが為に取られる特許ですから、ある意味「どうとでも取れるように」書かれている訳です。

噂では、この特許イラストそのままの製品もあったようです。ただ、作りとしてはFig2の6、背中から来た生地の二重に成る部分とポケット口やフラップが非常に近い位置にあり、確かに補強という面ではよさそうですが、厚すぎて非常に縫いづらかっただろうと思います。

そのためか、Filsonの有名なダブルマッキノーは二重生地部分がフラシになっています。

いずれにせよ、ポケット・フラップの基本形状はほぼ特許そのまま。場所や大きさはいろいろ試行錯誤があったのだろうと思います。

 

生地をアップにすると、ある程度織り柄がわかるもの。綾目がはっきりと見えます。

ただのイメージですが、FILSONというとこの手のある程度織り柄・糸がはっきりわかるもの。ウールリッチはより表面の毛羽が激しいものと感じます。

 

     

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