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表はシングルステッチ、裏はチェーンステッチ、扁平縫いと呼ばれる縫い目です。
ふと思い出すと、量産工場で初めて踏んだミシンがループ縫いでした。まだ学生時代に、研修で3日行かせてもらった岡山の工場です。
学生当時は「どうして既製品と自分が手で作る製品は違うのか?」と悩んでいましたが、量産工場の仕事を見てわかりました。
とにかく、様々な工程に金具(ラッパや押さえ金)があり、それを使って出来上がりを均一にしているのです。
その時は、それでわかった気になって「なんだ、誰でもできるじゃないか設備さえあれば」と浅はかに思っていました。
それがいざ、量産工場で日々、新しい仕様の設備を実際に考えてやるようになるといろいろな問題が見えてきます。
まず、たかが金具と言えどそれなりにそろえると5万、10万はすぐに飛びます。それだけの設備投資をして回収が出来る見込みがあるのか。
そして、いざやるとなると単純にラッパだけでは済まない事がほとんどです。押さえ金、どぶ板。セッティングも、その部分を縫うように変える必要があります。
これが時間がかかるのです。そこまでしてやるからには、本来は量が無いと意味がありません。また、針幅が細くなるのでパンクする危険が高い事もあります。
今回、この工程を工場にお願いするのではなく、自分でやった理由がここです。
再現したい、この一心だけで量が無い、危険な仕様と無理を通す訳ですから、そこは自分でやらないといけないのです。
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