Sliver Fleece Jacket

スライバーフリース製造工程・和歌山/原料の調合/ カード

スライバーフリースの、「スライバー」を作るための原料。左側がその「スライバー」で、右側が原料のポリエステルの原毛。原毛に複数の色を付け、混ぜる事で色調を出します。

 

大きな箱状のボックスにエアを使い吸い込み、混ぜていきます。この中で、白、茶色の原毛がぐるぐる混ぜられています。こういう作業の何が大変かというと、終わった後の掃除。モップが立てかけてますが、色物は、前の色が混ざらないように終わったら必ず掃除が要ります。この掃除は、大量のものをやろうと、少量だろうと同じ時間かかります。小ロットが高コストになるのは、この「変わらない時間かかる作業」を割る、母数が減るからです。

 

混ざりあった原料は、先ほどの箱から別室へ、これもエアダクトを使って送り込まれます。

 

糸を作るときは、綿、ウール、ポリエステル、どんな素材でも短繊維で あればカードと呼ばれる櫛を使って繊維の方向をそろえ、糸の原型である「スライバー」を作ります。Tシャツの糸ジーンズの糸、どっちも似た機械が出てきます。

本来、このスライバーが何回も縒られたり(練条)したり、粗紡・精紡と糸になっていくのですが、「スライバーフリース」は糸作りの途中工程であるスライバー自体をニットに編みこんでしまうのが一番の特徴です。

 

出来上がったスライバーは袋にまとめられ、次の編みの工程へ・・・

 

編み立て

編み機の形状は、いわゆるT シャツやスウェットの生地を編むそれとほぼ同じような形。上から供給された糸が真ん中で筒状に編まれ、下に降りていきます。ただ、糸の供給方法が全く違い、編み機を囲むようにスライバーがセットされ送りこまれる。

 

さらに、芯になる糸は編み機の奥に白い糸が立っていて送りこまれて行きます。この芯になる糸に、スライバーを周りにまとわりつかせながら編み針で編んで いきます。

 

編み針も、おなじみの形状ですが編んだ向こう側にスライバーが毛足として出ているのがわかります。

 

編み上がった状態は筒になっていて、これを切り、平らな状態にしてこの後の仕上げ加工工程に入ります。一番右、編み上がったばかりの状態はふわふわ。まるで羊毛のよ うでもあり、でもベースは編み物なので羊毛とは違う伸びがある状態。ただ、この状態ではまだ、スライバーが簡単に抜け落ちてしまう状態です。

 

シャーリング・ブラシ・ポリッシャー・タンブラー、様々な仕上げ・風合い出し工程

余分なスライバーの毛を刈り込むシャーリング

 

裏面に糊付けをしてスライバーが抜けないようにする工程。熱をかけているので、寒い時期には靄が出ます

 

タンブラーでぐるぐる回して、余分な毛を落としつつ、毛のカーリング・丸みも出し、全体の風合いも柔らかくする

 

仕上げの工程は多種にわたり、その工程をある時は前後させ、ある時はある工程を複数回行い・・・と無限ともいえる組み合わせがあります。

具体的には毛を刈り込むシャーリング、裏面に糊をつけて生地を安定させる糊付け、遊び毛を取り除くブラシ、毛を熱で伸ばすポリッシャー、 パイルのボリューム出し・リラックスのタンブラー、生地の幅だし。

今回伺った日本ハイパイルさんはスライバー作りから編み、仕上げを一か所で一気貫通で行っています。そのため、コストさえ許せば仕上げはどのような組み合わせでもでき、多種多様な風合いを出すことができます。例えば、毛が丸まってほしい、そのツブの大きさはこのぐらいになってほしい、毛足の長さはこんな風に・・・日本ハイパイルさんは過 去に作った膨大な資料があるので、ある程度まで「この工程でこの風合い」と予測はできますが、それでも最後はやってみないとわからないのが今回の生地作りの面白さでした。

 

そんな工程を経て出来上がったスライバーフリース。表面を起毛させて作るフリースより毛足が長く、さまざまな風合いを作れる、でも高コスト&生産性が悪いのがウィークポイント。ただ、そのウィークポイントがあるからこそ、海外で生産するメリットが中々見いだせない。(結局、海外でやっても大量に安くは作れない)。だからこそ、国産が残った素材。

 

 

 


無題ドキュメント
   
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