生地作り

今回の発端、Stifelのモールスキンの生地作りの一部を紹介します。

オリジナルのジャケット はとてもかっこいいのですが、やはりシルエットがゆったりしすぎていて着づらい。

そこで、このジャケットの袖をカットしカットしたところをほぐして見て生地の織り方を調べてみました。

いわゆる「サテン」のような、ヨコ糸が多く飛び出す組織でしたが・・・

その組織を模式化してみました。

タテ糸に対して2/8/2/8の繰り返しでヨコ糸が上下にくぐっています。

さらに、一番下のヨコ糸から、その上の段に行くと下にくぐる位地が、間タテ糸4本分ずれた位置になっています。

そして、プリントの具合をマジックで示しています。

異様なものを見せられて困っている生地屋さんです。

この模式図や、さらに生地屋さんからハギレを試験場に出してもらい織り糸の太さ、1インチあたりの打ち込み本数を調べてもらいいざ、生地を織る作業がはじまります。

この後、試験で数メートルだけ織り上がったり、それとは別にプリント部分の試験で、別記事にプリントしたものが来たりと完成までいろいろ作業はあるのですが、その都度、糸の太さをもう少し細く・・・とかプリントのツブをもう少し小さく・・など、修正を繰り返して本番に臨みます。

そして、出来上がったのが下の生地。

表からの表情はかなり良い線をいっていると思います。

 

一方で裏面のプリントと起毛はしていません。

一番は単価の問題。裏までさらにプリントして起毛すると、製品になったときに4万円近いものになってしまうこと。

そして、起毛をするとどうしても、すべりが悪くなってしまうこと。

また、オリジナルで同じ手法をとって柄を表現した生地にも、裏面にプリントをしていないもの、起毛をしていないものもあり、バリエーションがあったであろうこともかんがみています。

 

型紙
 ジャケットの型紙は以前作ったSack Coatを元にしながら、着丈・肩幅の修正、袖の完全な書き直しを行いました。

左は仮縫いをボディに着せつけています。

袖に注目すると、カーブを描いた袖が前中心側に向かって曲がっています。

また、袖先が体に添うようにして裾にくっついていくようなシルエットを目指しています。

横から見ると、前に向かって大きく振っていることがわかります。

これは、人間の腕の曲がりを追従することで、静態したときの見た目の美しさを目指しています。

一方で、ウェストの絞りと同じく、やりすぎてしまうと体が動いたときにあまりきれいではない皺が出てしまうので、仮縫いや、ピンを使った立体を繰り返して、型紙を修正しています。

その袖の型紙です。

ポイントはアウトカーブ。

ここが分離することにより、袖先との差寸が生まれ、袖に単なる前ふりだけではないヒネリが生まれます。

もちろん、袖だけではなく身頃の形状も最終的な袖の落ち着き具合に影響してきます。

さらに、この袖のカーブを殺さないために、外側の縫い目はおり伏せ縫い、内側の袖はパイピング・割り縫いにしています。

ワークウェアの雰囲気を残すジャケットだけに、巻き縫いをしたいところですが、巻き縫いでは、このカーブを縫うとひずみが激しく縫い外れる危険性があります。

また、うまく縫えたとしても、型紙の持つカーブを殺してしまう場合が多いため、ほかの方法を今回はとりました。

このように、型紙・シルエットにより縫製方法は制限を受けます。

新旧、Sack Coatの型紙比較です。

着丈が短く、肩幅が狭くなっています。

また、細かい部分ですが、フロント裾部分の左右への逃げは弱くなり、ウェストラインも若干上げています。

 

脇、そして後ろ中心での絞り具合です。

フロントにダーツがないので、絞り切れてはいませんが、半身でバストラインとの差、3センチ程度は絞っています。

一方で、すそ回りは脇線が交差しない、それほど広くはなっていないことがわかります。

 

 

縫製・ロックミシン
 トラウザーズの脇・尻ぐり・内股に使用したオーバーロックミシンです。

1本針2本糸。今ではあまり使われない、かなりクラシカルなミシンです。

一方で、2本針4本糸のロックミシン。

これを1本針にして3本糸をかけた状態です。

今回の製品では、袋布・ヒヨクのロックにしようしています。

参考にしたオリジナルは、マチ付けにはインターロックを使用していることから、それほど古いものではなさそうです。

おそらく、新旧のミシンが配置された工場で部分ごとに、使用ミシンを変えながら縫われたものだと思います。

なので、私もできる限り、場所場所でミシンを使い分け、オリジナルの持つ独特の雰囲気を再現できるよう努めています。

左が1本針2本糸。右が1本3本糸です。

裏側を見ると違いがよくわかり、カガリ側のステッチが一本無いのがわかります。

1本針2本糸のほうが、やはり若干強度、本来のロックミシンの意味、裁ち端がほつれることを防ぐ点で機能は劣ります。

しかし、そうであったとしても、やはりオリジナルの持つ雰囲気を再現したく、今回、あえて部分的に使用しています。

 

 

 

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Lineup-ラインナップ
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Sack Coat, Black Moleskin Sack Coat, Khaki Twill
   
Trousers, Black Moleskin Trousers, Khaki Light Twill

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Detail-Before Washing

各部詳細

 
 
       

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The Looks.

 


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