Shetland Knit, Anderson & Co, Everest

30代前半から、ボタンダウンシャツを着るようになり、自然と冬はその上にセーターを着るようになりました。

ジョンスメは高すぎる&デリケートすぎる。そこで次に目を付けたのが、いわゆる「シェットランドニット」。

当時、最初に買ったのがAnderson & CoのEverestでした。

「1953年、エドモンド・ヒラリーがエベレスト初登頂の時にアンダーウェアとして着ていた」伝説から、通称「エベレスト」と呼ばれている丸首のセーター。

私が最初に買ったのは今から10数年前。2010年前後。その後、2015年ごろには工場がクローズした、エベレストがなくなった、色々言われていますが、徐々に市場から消えていきました。

会社事態は存続していてShetland Knit Wearという名前でウェブサイトもあります。

https://www.shetlandknitwear.com/

面白いのが糸。

https://www.shetlandknitwear.com/resources/

同じく、シェットランドニットで有名なJamieson’s of Shetland(ジェーミソンズ)で紡績した糸を使っているとあります。

確かに、どちらも住所を調べるとシェットランド諸島のラーウィックという街?の同じ通りの斜め向かい。

 

今回、手持ちの1枚がいい加減穴も開いて小さくなってきたので最後のストックを開けがてら撮影してみました。

 

Everest, E-1

まずは開封から。リーフレットには、EVERESTのトレードマークは登録されていること。PURE NEW WOOL、リサイクルウールではない、一度も繊維やニットになっていないウールを100%使っていること。わざわざ書くのは理由があり、ウールはリサイクルがとても進んでいる繊維なので、何回もリサイクルされます。それはそれで素晴らしいことなのですが、「リサイクルしていないバージンウール」は、やはり使う側としては強調したい部分なのです。自分もウールの生地を何回か別注したのでよくわかります。

 

文章の内容をDEEP Lで翻訳してみると・・・

「 このセーターは、1953年に初めてエベレスト登頂に成功した遠征隊に提供されたリアル・シェットランド・セーターと同様の仕様で作られています。これらのセーターは可能な限り軽量でなければならず、最高級のリアル・シェットランド・ウールのみを使用していました。このようにリアル・シェットランド・ウールにこだわる理由は、シェットランド諸島で育ったウール(純粋に飼育された シェットランドシープ) 保温性があるからです。 保温性があり、とてもソフトで着心地が良いからです。 このウール本来の特性は、ボディシェイプがしやすいようにかなりゆったりと編まれたときに、最高のレベルを発揮する。同時に、セーターはハードな着用に耐えるだけの強度が必要です。そのためには、ハンドフレームで縫い目のない編地を作るのが最適です。 これはとても特別なセーターです。このセーターが編まれる特別な品質のウールの供給量には限りがあり、要求される高い水準で編める技術を持ったニッターは、シェットランド諸島でも数人しかいない。 そのため、特別な手入れが必要であり、手洗いかドライクリーニングで長持ちさせるのがベストである。手洗いの場合は、ぬるま湯に中性洗剤を溶かし、十分にすすいでから水を絞るか、短時間回転させて乾かし、形を整えてから平らな場所で乾燥させる。乾燥させる際は、直射日光や強い日差しを避けてください。」

・エベレスト登頂

・シェットランド諸島で飼育された羊のウール

・ハンドフレームという方法で作られた縫い目のないセーター

といった特徴が記載されています。

 

全体は、ごく普通の丸首のニット。

サイズ42で318グラム程。これが本当に適度な厚み・重さ。

「Voe True Shetland」と呼ばれる、染めてない、子羊のバージンウールだけがエベレスト!と言われていました。ただ、私はすべてお店の解説など、また聞きでしか知らないので、今、Shetland Knit Wearにセーターを注文しがてら、そのあたりを聞いています。

Voe True Shetlandについて、日本語でとても詳しく解説されている店舗、ジャックノザワヤ様がおられます。私もこちらでエベレストに使われている未染色ウールについて知りました。ぜひもご覧ください。
Jack Nozawaya ジャックノザワヤ
Harley of ScotlandからVoe True Shetland

 

全体を見ると、縫い目やリンキングがどこにも見当たりません。(あるけれど私が見つけられていないだけ?)

現代の島精機・ホールガーメントならわかりますが、そんなものは存在もしなかった何十年も前からこういう仕様のセーターがあったことが驚きです。ハンドフレームという、人が目で見ながら一段づつ編んでいく機械というか、工具?のようなものがあるそうです。

「手横」と呼ばれるものすごく小さな編み機はニット屋さんで見たことがありますが、あれとハンドフレームがどう違うのかは私はわかりません。

 

首回り、身頃と編み目が変わっています。ここもリンキングや縫いつけの形跡はなく、シームレスに編み目が切り替わります。

この首回りの厚み・しっかり加減が絶妙。最近、ホールガーメントで編まれたニットも何点か買いましたがどれも首回りがへなへなしている。

「やっぱり昔のジョンスメみたいに、二つ折りしてリンキングじゃないとダメなんだな」なんて偉そうに考えていましたが、このエベレスト見て考えが変わりました。絶妙な糸の太さ、撚り本数、度目(目の細かさ)、度詰め(縦方向の編み目の詰め具合)をすれば、1枚もののリブでもしっかりしてきつくないリブは作れるのだなと。

 

タグは先ほどの紙ラベルと同じ内容。

 

袖口のリブ編みは首よりちょっと針抜き具合が違う。ここも縫い目・リンキングが見えない。着るときは折り返すので、サイズ調節にもなるし、袖口の締まり具合も一段きつくなりグッド。

 

裾リブ、おそらく袖口と同じ編み目?ちょっと凹凸の凹が広いか?太すぎない、でもしっかり腰のフィット感は確保できる幅。

 

肩だけが面白い編み目になっていて、サドルショルダーのように、袖の編み目方向がそのままサイドネック(首のサイド、肩部分)まで延長しています。

ただ、肩・袖の切り替えはサドルショルダーのような曲線はなく、パキっと角度がついているのが面白い。ここも、裏を見ると、編み目の切り替えに凸凹はありますが縫い目が見えない。もう、どうやって作っているのか、さっぱりわかりません。

 

背面から。前後の差はほとんど無し。ネックがわずかに前が下がってるかな?ぐらい。一見、着づらそうですが、これがシャツの上に着ると実に良い具合に伸び、かつ、薄くもない。絶妙なバランスなのです。

うーん、こう書いていると着たくなってきましたが、自分の手持ちでも最後の1枚なのでもったいないような・・・虫に食われるかもしれないから、思い切って着てしまったほうが良いような。悩みます。

 

 
 
 

 

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