BLACKBEAR BRAND

裏に返して前身頃。膝に当て布がされています。

 

表地裏のプリントはCONE FABRIC。

 

膝に当てられたインディゴ生地はSTIFELのマークが。

 

これは、アメリカのウェストバージニア、Stifel社の資料館に残された当時のスクラップブック。

このページのあたりはほとんど、Stifel社が第二次大戦に絡んでArmy-Navy E Awardを取った内容なのですが、中になぜかConeと、今で言うコーンミルズの広告?らしきものが張ってあり、とても気になりました。

2007年の段階では、StifelはStifel、ConeはConeと、まったく別の物と考えていたのですが、よくよく考えれば「OEM」「相手先ブランドによる製造」と言うのは今でもあります。

ここからは推測ですが、Stifel社自体、生地を染めたり、洗ったり、防縮をかけたり、プリントしたりは出来ましたが「職布」はできませんでした。
当然、生地はどこかから買うしかなく、織布ができたConeの生地を使っていても不思議はありません。

ただ、Cone自体、1925年の段階ですでに生地へのプリント設備は持っていました。その証拠が以下です。

 

1925年に発行されたConeの社史。

銅のシリンダーにプリント版を写し取る作業工程。

 

プリンティングマシン。ロール状の生地機械を通りプリントされているのがわかります。

 

インディゴへの抜染をわざわざ章立てして紹介しています。

うがった見方をすれば、自社の設備を紹介しているであろうこのページも実は外注の設備を紹介していた・・・とも考えられなくもありませんが、おそらくは、わざわざ社史に協力工場とはいえ、自前ではない設備を乗せる事は無いのではないでしょうか。

 

 

以上から、1925年段階でConeはおそらくプリント設備を持っていた事になります。

今回紹介したモールスキンはインディゴではなく、また年代もおそらく1925年よりは新しいと思います。

はたして、今回のモールスキンがStifelでプリントされたものか、Coneでプリントされたものかはわかりません。わかりませんが、この二社の間には何か仕事を融通したり、仕入れをしたりという関係が合ったのではないかと思います。

そういう意味でも、この二社のロゴが一つの製品に成っている今回のジョッパーズは私にとって意義深い製品なのです。

 

 

 

 

 

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