ハーフジップで一番難しかったのがボディと、首リブの継ぎ目。ここがどうしても厚みが出るので乗り越えるのが難しい部分でした。
ファスナーが通る幅は確保しないといけない。でも、真ん中の隙間を開けすぎると縫い代が足りなくなる。ファスナーのムシ(真ん中の植わっている金属) の幅を調べ、テープ幅を調べ。これなら何とか縫えるか?という仕様/パターンを考え最初に部分縫い。
何とかいけそうだということで、サンプルに進みました。
服は生地の厚み、付属の色々な寸法(テープ幅)とか、要素が多い。デザイン/仕様/縫い方も色々あります。この組み合わせなら縫える、こっちは難しいが何とか形にはなる。ただ、品質が安定しない・・・等々。
そういう条件を調べるには、結局、本番の生地/部品を用意して「量産を縫う工場で、量産のラインの技量が分かっている人」が縫う必要があります。
よくあるのが、「サンプルは縫える」という言い方。サンプルをものすごい時間かけて1枚は縫えるのです。そうではなくて、それを何十枚、時に何百枚と作れるか?そこが大事。
私が信じられないのが「サンプルだけを縫う工場さん」にサンプルだけ依頼して、量産は全く別の工場で縫うというやり方。ミシンも、持っている金具も違う。セッティングも違う。どうしてそんなことが出来るのか???
あくまで「形」が大事で、縫い方にはそこまで厳格な仕様が無いようなブランドさんならそれもわかります。(いわゆるコレクションブランド的な)
ただ、「縫い方」がとても大事なブランドの場合、サンプルと量産が工場が違うとか。下手すると、間に業者さんが入って、ブランド自体はその製品がどの工場で縫われているか知らないなんて事もあります。そういう事を知って、ものすごいショックを受けたのが私が子供のころです。
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