斜め切り替えポケット+細両玉のコインポケット。簡単そうで、この斜め切り替えを脇で巻き縫いが乗り越えるところ、厚みが極端に変わって縫うのが難しいのです。昔、自分で縫っても縫えないし、工場さんはみな嫌がるし。
試行錯誤して、中の縫い代を削ったり、袋布の入っていく位置を調整したり。
・縫ってみる→気づいた部分をパターンで直す→また縫ってみる・・・の延々繰り返し。シルエットや仕様(デザイン)が変われば、また事情が変わる。結局、
「永遠に改善を続ける」しか確かなものを、決まった納期で作り続けるには方法は無いと私は感じています。ファッションの解説とは思えない。プロジェクトXかよという話なのですが、私の直面する事実です。
だから、私から見ると「どこで縫っているかもわからない。そういうのは、OEMメーカーさん、振り屋さんに任せて物を作る」なんて言うブランド・メーカーを聞くと信じられないのです。よくぞ、そんな作り方でまともな物が出来るなと。OEMメーカーさん、振り屋さんが本当に優秀なのだなと思います。じゃあ、ブランド?メーカー?の強みって何?
企画や売り方、マーケティングがうまいのが現代のブランド・メーカーなのでしょう。でも、私はそういうことをしたかったのではない。
本当はTCBさんみたいに自社工場でやるのがベストなのかもしれない。でも、私は私なりに、ファブレスではありながら、工場さんの設備や得手不得手を知り、「自分が作りたい、そして工場の腕が生きる製品」を作ってみたい、企画してみたいのです。
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