特許

1,Cigarette Pocket 1944

まずは、今回作った通称「山ポケ」の特許です。

1942年に出願され、1944年に特許登録されています。

特許の内容としては

・最小の生地で作るシガレットポケット
・ポケット底の形状、工夫により一本の煙草が取りやすい
・フラップを無くすことにより、工程の削減とボタンの外しやすさの向上

などが挙げられています。

特許の図と、それに付随した解説を読むと、どうやら今回参考にしたオリジナルとはじゃっかん仕様が異なっています。

具体的に、特許では底だけでなく脇にもアコーディオン状のマチがあり、さらに各たたきステッチはダウブルステッチになっています。

これは良くあることで、特許申請の際はかなり凝りに凝った仕様で登録するも、実際に、製品化するときはその一部を生かし、より合理的、現実的な仕様へのアレンジが加えられたのだと思います。

ということで、今回は実物を参考にしつつ、特許の縫製手順も熟読し、型紙作り・縫製を行いました。

ごらんのとおり、オリジナルはXL以上のサイズですので、ポケットが非常に大きいです。

それを、写真からイラストレーターでスキャンし、さらにボタンの間隔を基準に全体を縮小し、オリジナルに近いバランスのポケットを作図しました。

詳しい縫製手順は、次の縫製にて紹介しています。

ぜひご覧ください。

 

特許

2,Shirt Sleeve 1935

次に1935年出願、1937年特許登録のシャツ袖に関する特許です。

こちらは、シガレットポケット以上に長く、また詳しくその作成方法や特許登録する八明天が記載されています。

具体的には

・袖の肘あたりの運動量、ゆとりの確保、および袖のまくりやすさ
・袖口の開きを作る必要がないこと
・そのため、開きにより袖口がぶらんとなり、汚れたり、機械に巻き込まれることもない

などが繰り返し記載されて、まるで袖口の開きがすべての悪の元凶であったかのように示されています。

 

こちらは具体的な縫い代のつけ方、始末の仕方です。

23、ちょうどカフスがない部分の身頃のない部分、その左右+1センチほどに余分に縫い代をつけ、三巻してダブルステッチをかけています。

さらに24の三角形部分、ここが、いわばアクションプリーツのような役割を果たし、ゆとりが必要になった時に現れるということです。

確かに、実によく考えられた仕様で発想の転換。

出来上がったものを見れば「なるほど」と思いますが、考えついた時には「これは特許だ!」となるのも、よくわかります。

実物と今回のシャツを比較しています。

つくりとしては全く同じです。

カフスの形状、幅、ステッチワークなどできる限りオリジナルに忠実です。

一方で、袖の太さが違います。

これは、私なりのアレンジで、ビンテージそのままのかなりゆったりした型紙よりわずか、現代的に、かといってタイトになりすぎないサイズ感を目指し、毎回調整を重ねている部分です。

 

襟・台襟の形状

最後に、襟の形状です。

さすがに、襟の形状まで特許はありませんが(実は作り方にはリライアンスの特許があります)なにより、この独特な逆Rを描いた襟、これこそリライアンス社、ビッグヤンクらしい襟周りの原点だと私は思います。

台襟の高さ、襟の高さ、襟先に向かうRの描き方、すべてサンプル作り、型紙の修正を繰り返し行い少しづつ改良してきました。

生地のハリもありますが、台襟の立ち具合、これも身頃の襟首と、台襟の形状に秘密があります。

わずか、数センチ、台襟の形状を変えるだけでがらっと印象はかわります。

このように、今回のシャツは、身頃やポケット、袖のバランスは現代的に、ビンテージゆりわずかタイトめに作ってあります。

しかし、一方でビンテージらしさを表現するのに肝心な襟の形状や、ポケットの製法、袖口、前立ての製法、糸使いなどはできる限り、ビンテージに近い方法を取っています。

これにより、ビンテージの風合い、雰囲気を醸し出しつつ、現代にも通用するワークシャツを作ろうと努めています。

 

 

 

 

How to make them?
ワークシャツが出来るまで

特許と企画

縫製工程

 

Lineup-ラインナップ
クリックすると、より大きな画像・サイズバランスなどをご覧いただけます。

 


Detail-各部詳細

     

 

Looks-洗い済みのシャツをハンガーにかけて

 

 


 

Workers