バックポケット・後ろ身巻き縫い |
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続いて後ろポケットです。 |
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スレーキ布の上側を折って |
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二本針平ミシンに移動です。
二本針というぐらいですから、当然一本針よりも採用されるのはずっと後。
今回使ったミシンは下糸が水平に入ります。
まずは調子布を縫って・・・ |
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そのまま |
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後ろポケットに入ります。
押さえ金右側にはガイドがついています。 |
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そのままもう片方のポケットもつけていきます。 |
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次はポケット口です。
糸の色は先ほどの前ポケットと同じです。
本来は、当て布つけの人に1台、ポケット口担当に1台、となるのでしょうが、さすがにそこまで再現すると、出来上がる量まで昔の再現になってしまうので、それはできません。
一台のミシンに糸をかけ変えて使います。 |
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ポケット口も二枚続けて縫いあがりました。 |
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上糸がイエロー、下糸がオレンジ系です。 |
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これを出来上がりの大きさ-0.1ぐらいにカットした厚紙を使って折っていきます。 |
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身頃と、ポケットつけ前で |
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平ミシンで一筆書きのようにつけます。
隠しリベットは無いので細めの平行線。
縫い始め・縫い終わりは返し針ではなく、目数を数針延長しています。
これもワークウェアの影響からです。 |
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ポケット、つけ終わりました |
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続いてヨーク、尻巻きです。 |
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おなじみ358、二台があっちこっち向いています。
奥側の一台を使います。 |
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まずはヨークを巻いたところ。 |
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続いて尻ぐりを、今回は股側から上に向かって巻いています。
不思議と、1940-50年代になると下からが多いような感じがするのですが、これもどちらでも機能性に問題があることではありません。
今回、巻き縫い部分ではワークウェアらしさよりも若干洗練された雰囲気を求めたので下から巻いています。 |
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裏から巻き縫いチェック。
生地が重なり厚みが増す部分ですので、必ずチェックします。
もし、ここで失敗していたら生地を裁ちなおしです。 |
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以上で前・後ろが完成です。 |
内股(大股)・脇 |
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最初に引っ張り出した太番手ミシン。
これに上糸6番/下糸8番をかけます。 |
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試し縫い。
この段階で明らかに太いのがわかります。 |
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まずは前・後ろの |
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内股(大股)を中表に合わせて縫って行きます。
ちなみに、岡山ではなぜか内股の事を大股。
開きどまりから下の左右合わせを小股と呼びます。
時には電話で仕様の話をするときもあるので、こういった「地場の専門用語」が登場します。
いまだに「サルカワ」とか、「ピスポケ」は「それってループのこと???」とか聞き返してしまいます。 |
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内股を縫って行きます。
ちなみに、ミシンのDP×17は針の種類です。 |
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内股、縫い終わりました。 |
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次にロックです。
ここも、量産時はもう少し広幅のロックに変更しています。 |
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う〜ん、やはりロックが落ちそうで怖いです。 |
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次は、大股倒しのステッチです。
ここはチェーンステッチで行われることが多い部分です。
理由は単純で、押さえのステッチでそこまで強度を求められない、万が一外れてもまだロック・地縫いが残る。
さらに、大股という長い距離を縫うのに、糸変えをほぼしないでも良いチェーンステッチミシンで行いたい、この二つの理由からです。
チェーンステッチは平台という普通の平ミシンの形をしたものと、巻き縫いを一本にするのと、どちらを使うのか意見がわかれるところです。
量産工場の工場長曰く、実際に縫ってみると明らかに巻き縫いミシンでやったほうが、まだ筒にはなっていないながらもやりやすいということなので、今回は巻き縫いミシンを一本に、さらに押さえ金も巻き縫いしやすいトンネル状のものではなくベタの押さえでいきました。
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これで、アジの開きのようなジーンズの開きが完成です。
確かに、これを平台に乗せて縫って行くのは、いくら前に落とすとは言えやりづらいです。 |
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次に脇側を地縫いします。
少しゆがんだ感じを出したいので、ガイドを付けずに目見当で縫って行きます。
これが、後々脇のキャタピラ状のアタリを生むので慎重に幅を決めつつ、でもときに少しぶれたりしつつ。 |
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左右縫えば筒状になり、ほぼパンツの形になりました。 |
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次に、左右のミミより上、断ち切り部分を合わせてロックします。
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ここは生成りの綿糸で。
このロックも量産はもう少し広いものに変更です。 |
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脇の倒しのステッチ。これも太番手ミシンでかけます。 |
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ウェスト側から所定の位置まで縫って返し針をして終わります。 |